2017年4月 ぐり唐草文様 小皿茶托・平皿
2017年4月1日今月ご紹介するのは、鎌倉彫・博古堂のお茶托と平皿です。こげ茶色、漆の世界では「うるみ色」と呼ぶものです。
ほうじ茶を連想させるような色です。 (画像だとなかなか本来の色合いが伝えられないのが残念)
お茶托とは言うものの、一品料理を盛ることもできる絶妙なラインの品です。
菜の花のおひたし 若竹煮 春キャベツと桜エビの和え物 などなど・・・。
こげ茶色の器に盛ると、春の食材が持つやさしさが一層引き立つような気がします。平皿は24cmのもので、鯛のお造りなどいかがでしょう?
お茶托として使う場合には、平皿に和菓子を盛って楽しんでいただけます。その時には、湯吞茶碗とのバランスがポイントになってきます。人それぞれの好みがありますが、このお茶托は、やや軽やかさある湯呑茶碗との相性がいいように思います。
★商品名 「ぐり唐草文様 小皿茶托」 直径14cm ¥14,000-(税込)
「ぐり唐草文様 平皿」 直径24cm ¥26,000-(税込)
※ 「日本のうるし」お貸出しサービス対象漆器 お問い合わせ info@j-urushi.com
2017年3月 摘み重
2017年3月1日
まだ北風が冷たい日もありますが、春の気配がここそこに。桜開花の話題もそろそろですね。
さて、今月ご紹介する漆器は、輪島の塗師・吉田宏之さん(吉田漆器工房の4代目)の「摘み重」です。
吉田さんは、故・角偉三郎氏の器の上塗りを任されていた上塗り専門の塗師さんです。「摘み重」のよう花塗りの漆器は、刷毛目の跡がうっすらと見えます。この跡が、塗る人によって野暮ったい感じに見えることもありますが、吉田さんの刷毛目はいやなところが一つもありません。さすが上塗り専門の塗師さんというところです。吉田さんの刷毛目は、漆器にやさしい表情を与えててくれているので、テーブルに置くとそのあたりをなんとなく温かみあるほんわかとした雰囲気にしてくれます。
そして、和洋スタイル問わず、この「摘み重」の形・色合いはテーブルを華やかにしてくれます。
写真は、和菓子と紅茶のティータイムをイメージしたものですが、3種類のお菓子をそれぞれの段に用意します。
季節感ある和菓子を選べば、蓋を開けた時に「わーつ」とお客様に楽しんでもらえること間違いなしです。 ティータイムだけでなく、少人数のお酒の席では、肴の器として丁度よいサイズです。
★商品名 「摘み重」 ¥63,000-(税別) <吉田漆器工房>
※サイズ 径12cm 高さ(3段)14cm
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2017年2月 布目卓上膳
2017年2月1日
今月ご紹介する一点は、輪島塗師屋・大﨑庄右ヱ門さんの卓上膳。
写真の品はベージュです。(漆の世界では、白色といいます。)定番色は、古典的な漆色(黒・うるみ)でしたが、あるお客様の要望でこのベージュを定番色に加えたとのこと。
洋食器を使う機会が多くなっているからこそ好まれる色合いだと思います。
さて、この卓上膳、澄ました表情で上品な風合いですが、少々手荒に扱っても気にならないくらい、丈夫なな仕上がりになっています。 お膳の木地にスラブ綿をかけ、その上から何層もの透明感ある日本産漆で仕上げているからです。
お膳は毎日のように使い、色々な食器をのせるので傷つくのはあたりまえ。でも、布目の凹凸があるので、その細かい傷が全く気になりません。それから、中国産の漆よりも日本産の漆は透明感があるので、年月とともに微妙ですが、上品な風合いに変化していきます。布目の凹凸に漆独自の陰影が加わると一層愛着がわいてくる品です。
★お知らせ 輪島の塗師屋・大﨑庄右ヱ門さん、東京ドームにて開催の「テーブルウェアフェスティバル 2017」に出店中。
<2/6(月)まで> 輪島に行かずとも東京で大﨑庄右ヱ門さんの漆器をまとめてみことができるのは、この機会のみ。写真の卓上膳も手に取ってみることができます。
★商品名 「スラブ綿布目卓上膳」(白) ¥21,000-(税込)
※ 「日本のうるし」お貸出しサービス対象漆器 お問い合わせ info@j-urushi.com
12月 師走
2016年12月1日12月になりました。住まう地域により「冬」の到来を感じている人、紅葉が見ごろを迎え「秋」の風景を楽しんでいる人、色々ではないかと思います。
そして、「我が家のお節、どうしよう?」とそろそろ考え始めている人も・・・。メニューそして食器のこと。お節料理は買う!という人でも、取り皿やお椀は必要。お正月らしいテーブルセッティング、あれこれ思案する時間を今から楽しんで。
※写真:無地の朱色の漆器は、単体だと控えめな印象ですが、合わせる陶磁器によって朱や塗りの風合いが引き立ち華やかな印象になります。お皿は、NIKKOの金沢シリーズ「花てまり」菊型皿。 朱色の漆器は、右上から「輪島塗お櫃台」「吉田宏之 姫重」「岩舘隆 丸重」
11月 霜月
2016年11月1日関東エリアも、山間部から少しづつ紅葉がはじまってきているようです。
街路樹や、家の近くにある樹木が、赤や黄色へと少しづつの色づいていく様子も楽しいものです。そして、秋とともに冬の気配も感じ始めるのが11月。そろそろお鍋料理も楽しみになってきました。
お鍋料理といえば、取り皿の用意。 お鍋の種類によって、取り皿選びは変わりますが、なんといっても漆器が万能選手では。
熱いスープをよそってもお椀なら手に取っても大丈夫。 陶磁器だと熱くてなかなか持てません。
写真のお椀は、スタンダードな型で、持っていない人はいないくらいではないでしょうか?でも、もし合成樹脂などの素材のお椀であれば、陶磁器のように熱が手に伝わり熱くて持っていられないはずです。
もしそうであれば、頻繁に使うものだからこそ、よく吟味してお気に入りの1点を購入したいものです。
★写真のお椀・・・ 輪島の塗師屋 大崎庄右ヱ門 汁椀 (色:洗朱)(特徴:日本産漆100%ならではの透明感ある発色)
10月 神無月
2016年10月1日今年は、10月になっても気温が高い日がありますね。 でも、空は秋色です。
夏の外出は控えていていたけれど、そろそろ積極的に出かけることが多くなる季節。
友人と遊びに出かける。そして友人が自宅に訪ねてくる。外食ではなく家でゆっくり時間を過ごす・・・。そんなこともあるのでは?
今月の写真は、遠方から遊びに来るという友人のためランチ準備中のテーブル。
輪島の骨董屋さんで見つけたお櫃をワインクーラーとして使うことに。
朱のお櫃は、昭和初期のもので、漆の具合がとてもよく普段使いにぴったり。
今では、「漆」というと9割以上が中国産で、その漆に他の素材をブレンドして(安価にするため)しまっているものが多くなっていますが、
この昭和初期は、まだぎりぎり中国の輸入漆が流入せず 当たり前のように国産の漆を使って漆器づくりをしていた時代です。その頃の品だったので、安心して購入できました。
9月 長月
2016年9月1日今年は残暑が厳しいとの予報。日中の食品類の持ち歩きにはまだまだ気を使わないといけないようです。
お弁当も保冷バッグや保冷剤が欠かせないですね。 ところで漆器は保冷・保温にすぐれていることご存じですか?お弁当箱やお重箱のように蓋ををすると中の状態が安定して保たれるのです。そして漆は抗菌性もあり、ものが腐りにくい長所ももっています。 もちろん気温・室温が高くてはさすがお手上げですが。
今回の写真は、私の父が現役時代から愛用していた旬系塗りのお弁当箱です。どこのどのような品かは不明。最低でも10年間は毎日使っていたものですが、どこにも不具合、傷みがでていないので、優秀です。購入からそろそろ30年たちますが、春慶漆のきれいな透け感がよくでてきていて、毎日目に触れる食器棚の一等席を陣取っています。
8月 葉月
2016年8月1日7月 文月
2016年7月1日7月になりました。梅雨明けまではしばらくありますが、「夏」の気配をあちらこちらに感じられるようになるのがこの時期ですね。
蝉が鳴き始め、木を見上げると緑が大分色濃くなっていることに気付きます。そして、夏草がグングンと成長し、その中に露草の青い花があったり。
皆さんそれぞれの身近に「夏」のサインがたくさん見え隠れしていることと思います。
さて、今月ご紹介の漆器は、輪島塗師屋・大崎漆器 小ぶりのトレー(24.5 ×15cm ¥10,000-)。
木地に和紙を重ね黒漆で仕上げています。 日本産漆ならではの品ある仕上がりです。呂色仕上げをせずに、漆そのものの良さを一面で感じることができる品です。 和菓子・洋菓子と一緒に楽しむのもいいですが、おしぼりトレーにも使えますし、一輪挿しの花台としても素敵に使えます。一器多様の代表選手ですね。
6月 水無月
2016年6月1日紫陽花が色づきはじめています。木々の若葉も少しづつ色濃くなってきました。梅雨の先に待つ夏をあちらこちらで感じる季節ですね。
そして6月といえば衣替えのシーズン。衣類だけでなく食器も夏に向けて涼し気なものに変えたいものです。
よく「漆器は秋冬のもの。」とおっしゃる方がいますが、そんなことはありません。ガラスの器と組み合わせて使ってみたり、夏物の軽やかな器を並べる中にアクセントとして使ってみたり、色々と楽しめます。
写真は、鎌倉彫・博古堂の尺盆(布目張)とコンランショップのガラス皿。 このガラス皿は、1枚だとカジュアル感が高いのですが、ガラス皿の下に黒塗りのお盆を重ねてみると、きちんとした雰囲気がでてきます。漆器は、秋冬だけでなく夏も名脇役となり活躍します。